柄や凹凸のないシンプルな織り(平織り)で、光沢は淡く控えめ。ビジネスパーソンにとっての定番です。滑らかな着用感が魅力ですが、その分シワが寄りやすいこともあります。高密度で織られた光沢の強いものはフォーマルな装いにも。
タテ糸とヨコ糸それぞれ2本以上の糸を引き揃えて織る平織りのこと。隙間が多く生まれることで、通気性が良く、軽く柔らかい生地に仕上がります。元々はカジュアルウェア向けでしたが、現在ではビジネスシャツやフォーマルシャツにも使われるほど多様な種類が生まれています。
「斜文線(綾目)」と呼ばれる斜線状の模様を持つ綾織りのこと。この模様に光が当たることで、表面に適度な光沢が生まれます。柔らかくお手入れもしやすい傾向にあるため、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンに使用できます。
「フレンチ綾」とも呼ばれる綾織りの一種で、一般的なツイルよりも幅広で立体的な畝状模様が特徴です。それによって光沢が強まり高級感の漂う、柔らかな肌触りながらシワの寄りにくい生地に仕上がります。
綾織りの一種で、逆向きの斜線を交互に組み合わせたV字型の模様が特徴。シーンを限定せず着用できることから非常に高い人気を誇る生地です。適度な厚みがあり、シワが付きにくく取れやすいので、お手入れは比較的簡単な傾向にあります。
糸の本数や太さ、織り方などを変化させることで、様々な模様を表現できる「変わり織り」の一種。表面の光沢が素材を際立たせ、高級感のある生地に仕上がります。フォーマルなシーンでの着用にも適しています。
やや太めの綿糸を用いた綾織りのこと。インディゴなどで染色したタテ糸と、白いままのヨコ糸を組み合わせることで、特徴的な見た目に仕上がります。水洗いによる色落ちがナチュラルな色合いを生み、味のある魅力を引き出します。
タテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を用いた平織りのこと。表面に霜降り状に現れる白糸の、独特の温かみが魅力です。色落ちすることが少なくご家庭での洗濯が可能で、扱いやすいのも特徴の一つです。
タテ糸とヨコ糸が交差した織物のことを布帛(ふはく)というのに対して、ニットは結び目を作るように糸のループを連続させた編み物のこと。抜群の伸縮性に加えて通気性や形態安定性など、高い機能性によって着用もお手入れも楽で快適に。
ウールの繊維を起毛させた毛織物のこと。ふんわり柔らかな風合いと暖かさが特徴です。現代では綿(コットン)を原料とするコットンフランネルも一般的で、ウールに比べて軽い着用感はワイシャツにも適しています。
「しじら織り」とも呼ばれる、表面に縞状の凹凸を出した平織りのこと。肌にベタつかないサラリとした清涼感と、シワになりにくいのが魅力です。クリーニングで高圧プレスをかけると凹凸が薄くなることがあるため、ご家庭での洗濯を推奨しています。
平織り、綾織りと並ぶ織物の三原組織の一つである「朱子織り」のこと。糸同士の交差する点が少なく、非常に滑らかで光沢の強い、高級感あふれる生地に仕上がります。その反面、耐久性は低い傾向にあります。
その名の通り、タテ糸を「絡み」合わせた間にヨコ糸を通して織られた織物のこと。一見すると編物のような立体的で透け感のある見た目に違わず、通気性や速乾性、さらには形態安定性の高さが魅力です。
デザイン以上にシャツの見た目や雰囲気、着心地や用途までを決定づける生地。「シャツ選びは生地選び」と言っても過言ではないほど、1着のシャツにおける重要な要素です。
一目でわかる色や柄はもちろん、素材や織り柄、機能性(加工)、糸番手など判断基準は多岐に渡ります。この記事では、ほんの一例ですが、生地選びのヒントをご紹介いたします。ご自身が重視するポイントを絞って、条件に合う生地をお探しください。
清潔感や信頼感が求められるビジネスシーンでは、無地の白やサックスの生地が定番です。
無地と一口に言っても、織り柄によって様々な表情が生まれます。素材によっても変化するため一概には言えませんが、一般的にはブロード、ツイル、ヘリンボーン、ドビーといった織り柄が程よい光沢を持ち、ビジネスシーンにふさわしいとされています。
仕事着として頻繁に着用するなら、形態安定(防シワ)性のある生地がおすすめです。
ご自宅の洗濯機で洗濯してアイロンは簡単にかけるだけ、もしくは完全なノンアイロンなので、お手入れが簡単。着用時にもシワを気にせず動ける、日常使いにぴったりな加工です。
ストレッチ性(伸縮性)のある生地を選べば、動きやすく一日中着用しても疲れにくいシャツに。コットンに加工を施してストレッチ性を持たせたものや、元々ストレッチ性の高いスパンデックスなどの素材を用いたものなどがあります。
毎日のように着用される方には、抜群のストレッチ性と形態安定性を併せ持つニット生地もおすすめです。布帛に近い見た目で、ドレッシーに着こなせるニット生地をご用意しています。
柄の入った生地は、マンネリ化しがちなコーディネートの幅を広げます。
まずはストライプやチェックなど、合わせやすい定番の柄を取り入れるのがおすすめ。ストライプシャツはスマートな印象を、チェックシャツは柔らかい印象を与えやすいです。
クレリックとも相性が良く、シャツだけでも簡単におしゃれを楽しむことができます。
超高番手である100番手以上の糸を使用した生地は、高級シャツの代名詞です。素材の魅力を最大限に引き出す風合いの美しさはもちろん、その滑らかな肌触りの心地良さは、袖を通した瞬間にお分かりいただけるはずです。
気合いを入れたいときの勝負服として、ぜひ1着お持ちください。
シャツ生地の聖地イタリアや、上質なコットンを生み出すスイスをはじめとして、主にヨーロッパから輸入されるインポート生地からは、国産の生地とはまた異なる美学が感じられます。美しく輝く白や華やかな柄など、目を惹くインポート生地のシャツを、一張羅としてお持ちの方も多くいらっしゃいます。
ドレスシャツ・ビジネスシャツではもちろん、近年ではビッグシルエットで仕立てたカジュアルウェアとしても人気があります。
落ち着いた大人の休日には、やはりオックスフォードシャツが似合います。60番手以下の低番手の糸を使用した、肉厚でシンプルな生地が理想的。白やサックスのほか、ピンクや黄色など明るい色でも着こなしやすい懐の深さがあります。暗めの色がお好みの方には、デニム生地などもおすすめです。
夏の衣服には欠かせない素材であるリネン。さらりとした肌触りと抜群の通気性で快適に、そして明るい色は見た目にも爽やかに着用できます。
イタリアンカラーやワンピースカラーなど、胸元を開けて着用する衿型との相性が抜群です。袖をロールアップして、さらに色気のある着こなしに。
正装のマナーとして、冠婚葬祭などの場では白のブロード生地が無難なチョイス。特に葬儀の場では、それ以外の生地は避けましょう。衿型は「レギュラー」、前立ては「裏前立て」が一般的です。
タキシードやモーニングなどのフォーマルな装いには、衿型「ウィング」にボウタイ(蝶ネクタイ)を締めるのが正しい着こなしです。
ワタ(綿花)の繊維のこと。肌触り、吸水性、耐久性、扱いやすさなど、あらゆる点で優れているため世界中で衣類に用いられる定番の素材です。季節を問わず着用できます。
様々なランクがあり、中でも繊維長35mm以上の繊維のみを使用した超長綿は非常に肌触りが良く、高級素材として扱われます。世界三大綿として名高いスーピマ綿(アメリカ)、ギザ綿(エジプト)、新疆綿(ウイグル自治区)も超長綿の一つです。
セルロースから構成される植物繊維の総称です。特定の植物を指すわけではなく、「麻」と一口に言ってもその種類や製法は多岐にわたります。
通気性と保湿性に優れており、夏は風を通して涼しく、冬は体温を閉じ込めて暖かく着用できます。長く使うほど肌に馴染むような柔らかさも魅力です。
羊の毛を原料として作られる動物繊維のこと。厳密にはカシミヤやアルパカなど他の動物の毛も含まれます。
縮れた繊維同士が絡み合い、湿度によって遮熱と放熱を変化させる万能素材。冬に限らず様々な季節向けの衣類に使われます。綿(コットン)やポリエステルと混紡することで、肌触りや耐久性を補うことが多いです。
メリノやコリデールなど品種によっても特徴や癖があり、スーツなどの重衣料になるとその選択が非常に重要になってきます。
高機能な石油系の合成繊維の一種で、軽量性、速乾性、形態安定性に優れています。洗濯による縮みもなく、様々な素材との組み合わせが可能なため、シャツに限らず洋服作りには欠かせない素材となりつつあります。
アイロンの際に誤って意図しないシワをつけてしまうとなかなか取れなかったり、高温過ぎてテカリが出てしまったり、取り扱いに注意が必要なシーンもあります。
ポリウレタンを主成分とした合成繊維。その極めて高い伸縮性が特徴で、混紡率の低い状態でも発揮されるため様々な素材と組み合わされます。他にも強度、吸水性、耐老化性、染色性などに優れた特殊な素材です。
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